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高血圧の基礎知識②高血圧の定義と種類

高血圧というのは、血圧が高い状態を指します。たまたま測った血圧が高くても「高血圧症」とは言いません。繰り返し、異なる機会で血圧を測っても一定の基準よりも高い場合を高血圧症といいます。血圧の値が、収縮期血圧と拡張期血圧のどちらか一方、 もしくは両方が140/90mmHg 以上になると高血圧症と診断されます。

 

高血圧症は「本態性高血圧症」と「二次性高血圧症」の2つの種類に分けられます。

本態性高血圧症とは、なぜ高血圧になるのか原因がはっきりしないものです。日本人の高血圧症の85~90%はこちらです。もともと高血圧になりやすい体質に加えて、、塩分の摂り過ぎや肥満、過度の飲酒、運動不足、ストレス、喫煙などが原因で発症すると考えられます。

二次性高血圧症は、体の中に血圧上昇の原因となるはっきりした病気があります。主に腎臓の働きに関連するものと血圧を上げるホルモンが異常になるものがあり、腎動脈狭窄、原発性アルドステロン症、褐色細胞腫などの病気が原因で高血圧の症状が出ます。二次性高血圧症では多くの場合、その原因となっている病気を治療すると、血圧が下がります。

 

多少血圧が高くても、自覚症状は何もなく日常生活に困ることはありません。血圧がかなり高いときは、頭痛、めまい、肩こりなどが起きやすくなります。しかし、自覚症状がないからといって高血圧をそのまま放置しておくと、動脈が硬くもろくなる「動脈硬化」が起こり、やがて脳や心臓などでさまざまな病気を引き起こします。

血管の壁は本来弾力性があるのですが、高血圧は血管に大きな負担をかけ続けるため、血管は次第に厚く、硬くなり、弾力性が失われた状態になります。これが高血圧による動脈硬化です。この動脈硬化は、細い血管にも太い血管にも起こり、脳卒中や心筋梗塞、腎臓病など命に関わる重大な病気の原因となります。

また、高い血圧が持続して血管が硬くなってくると、全身に血液を送り出す心臓もそれだけ大きな力が必要になります。 これに対応しようとして心臓の筋肉は発達して厚くなります。この心筋が分厚くなる状態を「心肥大」といい、心臓全体が硬くなり全身に十分な血液を送り届けられない「心不全」の原因になります。

こうした合併症を予防するためには、高血圧にならないように日頃から注意することが大切です。また、すでに高血圧症の人は血圧を正常化することが必要です。