生活習慣病のひとつである「高血圧」。日本人の約3分の1は高血圧と言われており、健康診断などで高血圧と言われた方も多くおられるのではないでしょうか?
高血圧を放置していると、動脈硬化を促進し脳卒中や心疾患、慢性腎臓病などの重大な病気につながります。しかし、高血圧には自覚症状がほとんどないため、積極的に治療を行わない人も多いのが現状です。
そもそも血圧とは何でしょう?
私たちの体に流れている血液は、生きていく上で必要な酸素や栄養素を全身に届ける役割を担っています。そしてこの血液は、心臓がポンプのように収縮と弛緩を繰り返すことで全身に運ばれます。
血圧とは「心臓から送られたきた血液が動脈を流れる際に血管の壁にかかる圧力のこと」です。
血圧は、心臓が1回の拍動で全身に送り出す血液量(心拍出量)、血管の太さ(血管内径)、血管壁のしなやかさ(弾力性)などによって決まります。例えば、心臓から送り出す血液量が増えると、心臓は強い力で血液を押し出す必要があります。その結果血管の壁にあたる圧力が高くなります(血圧が高くなります)。
血圧には「上の血圧」と「下の血圧」がありますが、それぞれ「収縮期血圧」と「拡張期血圧」と呼びます。収縮期血圧(上の血圧)とは、心臓がギュッと縮んで血液を送り出したときに血管の壁にかかる圧力のこと、拡張期血圧(下の血圧)とは、血液が心臓に戻ってきて、心臓がふくらみ次に送り出す血液をためている状態のときに血管の壁にかかっている圧力のことです。
血圧はいつも同じ値ではなく、常に変動しています。一日単位の血圧変動を「血圧日内変動」と呼びますが、朝の目覚めとともに上昇し、日中の活動時間の血圧は高く、活動量が低下する夕方から夜にかけて低下していきます。睡眠中はさらに低くなります。