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高尿酸血症の基礎知識①痛風の原因です

突然、足や指の関節が赤く腫れ、熱をもって痛み出す「痛風」。風に吹かれただけでも痛むほどの激痛に見舞われるためこの名前がつきました。かつてはおいしいものをたくさん食べる人に多いとされ「贅沢病」といわれていました。

痛風とは、尿酸が一定量以上に増えると、尿酸が足の指などの関節などに沈着して腫れ上がり、激痛を生じる病気です。そしてこの痛風の背後には「高尿酸血症」という病気が潜んでいます。

 

高尿酸血症は、遺伝的素因に加えて生活習慣が大きく発症に関係すると言われる「生活習慣病」の一つです。血液中の尿酸値が7.0mg/dl以上で高尿酸血症と診断されます。

そもそも「尿酸」とは、新陳代謝やエネルギー消費の結果生じる老廃物で、「プリン体」が主に肝臓で分解されて生じ、最後は尿とともに体の外に排出されます。通常なら、体内で産生される尿酸と排泄される尿酸はほぼ同じ量で、血液の中の尿酸値は一定に保たれています。しかし尿酸の産生が増えすぎたり、尿として排泄される尿酸の量が少なかったりすると、血液中の尿酸が多くなります。

 

尿酸はプリン体から作られるのですが、このプリン体がとにかく悪いんだ!というわけでも実はありません。プリン体は、細胞の核酸を構成する物質で、新しい細胞をつくるときには欠かすことができません。プリン体は、食事から摂取されるものが2~3割で、体内で作られるものが7~8割です。体内では「細胞の新陳代謝」と「エネルギー代謝」によりプリン体が作られます。

 

高尿酸血症の原因は、肥満、アルコールの飲みすぎ、プリン体のとりすぎ、遺伝の要因(尿酸を過剰に作りやすい、尿酸を排泄する機能が弱いなど)などです。食べ過ぎや飲みすぎなど生活習慣の乱れによるものが大半ですが、それ以外にも激しい運動、薬物や腎臓の機能の低下などがあります。

 

高尿酸血症には、「尿酸の排泄がうまくいかないタイプ(排泄低下型)」、「体内で尿酸をつくりすぎるタイプ(産生過剰型)」、この2つの混合型の3つがあります。

排泄低下型とは、プリン体や尿酸を腎臓から十分に排泄できない場合で、高尿酸血症全体の約6割をしめます。女性ホルモンには腎臓からの尿酸の排泄を促す作用があるため、このタイプは男性がほとんどです。

プリン体や尿酸がからだの中で過剰に作られる産生過剰型は全体の2割、両者の混合型が2割と言われています。これらのタイプは病院で簡単に検査することができます。