食中毒の原因は、細菌、ウイルス、自然毒(有害なきのこなど)、化学物質(農薬など)、寄生虫の5つに大きく分けられます。代表的な食中毒の原因の特徴を説明します。
1.サルモネラ菌
十分に加熱していない卵、肉や魚などが原因となります。乾燥に強く、熱に弱い特徴があります。
サルモネラ菌のついた食べ物を食べると、6~48時間で吐き気や腹痛、下痢、発熱や頭痛などの症状が出ます。
2.黄色ブドウ球菌
人の手や指、鼻、のどなどにいる菌です。健康な人の20〜30%が保菌しています。手の傷や手荒れがある部分には、通常より多くの細菌が存在します。
多くの場合、調理する人の手を介しておにぎりや弁当・サンドイッチなどの食品が細菌に汚染されます。30分〜6時間の潜伏期間のあと、激しい吐き気・嘔吐・下痢・腹痛などの症状が出ます。一度毒素ができてしまうと加熱しても食中毒を防ぐことはできません。
3.腸炎ビブリオ菌
刺身や寿司など、生の魚や貝などの魚介類が原因となります。真水や熱に弱い特徴があります。
食後4~96時間(短いと2、3時間)で、激しい下痢や腹痛、発熱、吐き気や嘔吐などの症状が出ます。
4.ノロウイルス
カキやアサリ、シジミなどを十分に加熱しないで食べたり、ウイルスに汚染された水道水や井戸水などを飲んで感染します。熱に弱い特徴があります。ノロウイルスに感染した人の便や嘔吐物からも感染します。
食後1~2日で吐き気や嘔吐、下痢、腹痛、微熱などの症状が出ます。
5.カンピロバクター
加熱の不十分な肉(特に鶏肉)や飲料水、生野菜などが原因で起こります。熱に弱く、通常の加熱調理で死滅します。
食後2~7日で、下痢や腹痛、発熱、吐き気や嘔吐などの症状が出ます。
6.アニサキス(寄生虫)
アニサキス幼虫が寄生した魚介類を生で食べることでおこります。サバ、サケ、ニシン、イワシ、サンマなどに寄生しています。
寄生した魚介類を生で食べてから多くが8時間以内に、激しい腹痛、吐き気や嘔吐を起こします。アニサキス食中毒の予防には、冷凍と加熱が有効です。