Skip links

肝炎の基礎知識「A型肝炎」

A型肝炎は、A型肝炎ウイルスの感染によって肝臓に炎症を起こす病気です。多くの場合、A型肝炎ウイルスに汚染された食べ物や水から感染します。シンガポールでも衛生的でないホーカーで調理が不十分な魚介類を食べる時は注意が必要です。ほとんどの場合重症化することはなく、一度感染すると免疫を獲得するので二度とかかることはありません。

 

A型肝炎の感染経路は、汚染された飲食物を食べることによる「経口感染」と性交渉を含む「糞口感染」です。二枚貝(カキやアサリ等)がA型肝炎ウイルスに汚染されている場合、それを生や加熱不足で食べることで感染します。また、ウイルスは糞便として排出されますので、感染者が便に触れた手で触った食品や、便に汚染された水や食品からも感染します。感染した人との性行為で感染することもあります。

感染すると15~50日間(平均28日間)の潜伏期間を経て、38℃以上の発熱、 全身のだるさ、 食欲不振、 頭痛や 筋肉痛、腹痛などの症状がでます。その後、黄疸(白目や皮膚が黄色くなる)や 肝腫大などの肝臓の症状が出て、2~3か月で自然に治ります。B型肝炎やC型肝炎とは異なり、慢性的な肝疾患を引き起こすことはありませんが、まれに劇症肝炎(突然肝臓が全く機能しなくなる)など重症な合併症をおこすことがあります。

A型肝炎に対する特別な治療はありません。症状に対する薬を服用しながら、自然に治癒するのを待ちます。

 

最も効果的な予防方法は「予防接種」です。A型肝炎ワクチンは半年あけて2回接種すればほとんどの場合抗体がつきます。

また、トイレの後、調理の前、食事の前に十分な手洗いと消毒を行い、よく加熱した食品を食べましょう。特に二枚貝は中心部まで十分火を通して下さい。