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細菌・ウイルス・真菌②

感染症は主に、細菌やウイルス、真菌の感染によって引き起こされます。細菌感染やウイルス感染はよく耳にしますが、真菌感染はあまりなじみがないかもしれません。しかし真菌感染は、実は一般的に考えられているよりも身近にある感染症です。

 

真菌とはかびや酵母、キノコを含む一群の微生物をさします。このうちの一部の真菌が人に感染症を引き起こします。真菌は空気中や土の中に存在することが多いため、真菌感染症は肺や皮膚から始まることが多いと言われています。

 

真菌感染症は、感染する場所によって「表在性真菌症」と「深在性真菌症」に分けられます。「表在性真菌症」は皮膚や髪の毛、爪などに感染します。感染すると皮膚がカサカサして剥がれ落ちたり、赤みやひび割れ、じゅくじゅくとした感じ、かゆみなどの症状が起こります。代表的なものは水虫(白癬)です。抗真菌薬で治療できますが、完全に治るまでには時間がかかります。

 

「深在性真菌症」は、 肺、肝臓、腎臓、脳などが真菌に感染します。最も多いのは「アスペルギルス症」で、空気中に浮いているカビを吸い込むことにより感染します。発熱、胸痛、咳、血痰などの症状を伴い、抗真菌薬や手術で治療します。

 

真菌は私たちの生活している環境の至るところに存在しているので、真菌と接することなく生活することはできません。また、真菌には有効なワクチンがなく予防接種で防ぐことはできません。

真菌感染は体調不良や免疫抑制薬の使用等による免疫系の機能が下がったときに感染しやすいと言われているため、食生活などの生活習慣を整えることが大切です。また真菌の治療には早期発見・早期治療が重要です。何かおかしいと感じたらすぐにお近くの病院やクリニックを受診してください。