糖尿病であるかどうかは、検査を行ってその結果で診断されます。前日の夕食後何も食べず、翌朝血糖値をはかる「空腹時血糖値」、10時間以上絶食した状態で1度目の採血。次に75gのブドウ糖液を飲み、その2時間後に再び血糖値を測定する「75g経口ブドウ糖負荷試験」、食事の前か後かなどを考慮せずチェックする「随時血糖」や「HbA1c (ヘモグロビンエーワンシー)」の検査結果から、基準値を上回っていたら糖尿病と診断されます。
糖尿病の治療(2型糖尿病)の基本は、①食事療法、②運動療法、③薬物療法の3つです。
①食事療法
病気を治すための特別な食事をとることではなく、「食べ過ぎず、栄養バランスの良い食事を、毎日規則正しくとる」ことです。
②運動療法
運動には、インスリンの働きをよくし、血糖値を下げる効果があります。適度な運動を毎日続けることが大切です。コツはエスカレーターやエレベータを使わず階段を利用するなど日常動作を運動化することです。
③薬物療法
食事療法や運動療法で十分な効果を得られない場合は、薬物療法を行います。薬物療法には、体内のインスリン不足を補うためにインスリン注射を行う治療と、飲み薬による治療の2つがあります。
残念ながら糖尿病を完全に治すことはできません。食事療法と運動療法、そして薬物療法を行い、合併症を起こさないように気を付けることが大切です。血糖をしっかりとコントロールすることで、健康な人と変わらない生活を送ることができます。
まだ糖尿病ではないけれど、自覚症状があったり健康診断の結果を指摘された人は今すぐ生活習慣の改善を始めましょう。生活習慣の改善方法が分からなかったり、一人では難しそうならお近くの医療機関に相談してください。「血糖値が高かったら薬やインスリンをやめられない」「食べたいものがすべて食べられなくなる」などと言った誤解が、医療機関から足が遠のく原因かもられません。医師は必要な食事や運動、薬について説明するので、しっかりと話し合い、自分が納得できる方法で予防や治療を行うことが大切です。