「糖尿病になると薬を飲まないといけないし大変な病気」など、糖尿病について漠然と知っていても、糖尿病になると具体的にどうなってしまうのか、何が悪いのか、はっきりとは知らない方が多いのではないでしょうか。
健康診断で糖尿病の可能性があると指摘されても「症状はないし、普通の生活ができているから大丈夫」と放置していると、知らず知らずのうちに血管を傷つけ心筋梗塞や脳梗塞など命に関わる病気を引き起こしてしまうことがあります。何もしないでいるとじわりじわりと進行していく糖尿病。糖尿病とはいったいどのような病気なのでしょうか。
糖尿病とは「インスリンの作用不足により高血糖の状態が続く病気」です。これはどういうことかというと、私たちが生きるためにはエネルギーが必要です。食べ物は腸で吸収され、ブドウ糖などの栄養素として全身の細胞に運ばれてエネルギーとして取り込まれます。ここでブドウ糖を細胞の中にとりこむ役割をしているのが「インスリン」です。
インスリンはブドウ糖が細胞の中に入るために、細胞の「ドア」を開ける役割をしているのです。インスリンが少なかったりうまく働かないと細胞の「ドア」を開けてくれないので、ブドウ糖は細胞の中に入れません。ブドウ糖が細胞の中に入れず血液の中に長くいると、高血糖になってインスリンがさらに分泌されなかったり働かなくなり、悪循環に陥ります。
糖尿病にはいくつか種類があります。代表的なものは「1型糖尿病」と「2型糖尿病」です。
①1型糖尿病
膵臓からインスリンがほとんど出なくなる(自分でインスリンが作れなくなる)ことにより血糖値が高くなります。1型糖尿病は、若いころに糖尿病になる、痩せている、急に症状が現れるなどの特徴があります。生きていくために、インスリン注射が必須です。
②2型糖尿病
インスリンが出にくくなったり、インスリンが効きにくくなったりすることによって血糖値が高くなります。大人になってから発症し、太った体型や自覚症状がなかったなどの特徴があります。糖尿病の90%は2型糖尿病です。