急性胃腸炎で怖いのは脱水症です。特にこどもの体は大人に比べて必要とされる水分の割合が多く、また水分量を調節する機能も未熟なために、少しの嘔吐や下痢でも脱水症を起こす可能性があります。脱水を生じると、「泣いても涙があまり出ていない」「口の中がベタベタしている」「おしっこの量が減る」などのサインが出ます。また、嘔吐や下痢をすると多くの電解質(ナトリウムやカリウムなど)が一緒に失われ、脱水症がすすむことがあります。
このようなときに適しているのが、ナトリウムやカリウムが含まれた経口補水液です。電解質が失われているときに水だけ飲むと、体液の濃度が薄まり余分な水はおしっこと一緒に出てしまい、脱水が進むことがあります。あらかじめ経口補水液を準備しておき、脱水症状が出る前にしっかり飲みましょう。
家族や身近な人が感染性胃腸炎になった場合は、吐物や下痢にウイルスが含まれているので感染に気を付けなければなりません。マスクの着用や手洗い、うがいを必ず行ってください。タオルや食器の共有はやめて、トイレはふたを閉めて流します。
急性腸炎の原因や対処方法はさまざまです。また、急性胃腸炎と同じような症状でもっと重い病気もあるので注意が必要な場合もあります。腹痛や下痢、嘔吐がでたときは、早めに医療機関を受診し相談してみてくださいね。