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百日咳

百日咳は百日咳菌という細菌が原因で起こる呼吸器の感染症です。短い間隔で咳が連続して出たり、呼吸をするときにヒューヒューと音がする「喘鳴」などが特徴で、最初の咳の症状から咳が出なくなるまで約100日程度かかるため、百日咳と呼ばれます。

百日咳感染者で最も多いのは5~15歳の小児です。1歳未満で感染すると命にかかわることがあるため注意が必要です。

 

百日咳菌は、感染者の咳やくしゃみを介して人から人へ感染する「飛沫感染」や、菌が付着したものに触れることで感染する「接触感染」で感染します。

5~10日程度の潜伏期を経て、最初の「カタル期」では軽い咳や鼻水、くしゃみ、発熱などの風邪症状が約2~3週間続きます。この時期が最も感染力が強いと言われています。

次に咳の回数や程度がひどくなり、短い咳が連続的に起こったり息を吸うときにヒューという笛のような音がでる「咳発作」がでてきます。この時期は「痙咳期(けいがいき)」とよばれ、約2~6週間続きます。発熱はないかもしくは微熱程度で、息をつめて咳をするため顔のむくみを伴うことがあります。1歳未満の場合は特徴的な咳がないことが多く、時に肺炎やけいれん、脳炎などの合併症を引き起こすことがあります。

その後の「回復期」では、発作が減り咳も次第におさまってきます。2~3週間で症状は治まります。

 

百日咳の検査は鼻や咽を綿棒で拭い病原体の有無を確認する遺伝子検査(LAMP法)やPCR法です。検査が陽性だった場合は抗菌薬で治療します。「カタル期」に抗菌薬を服用すると効き目が高いと言われています。

 

日本では乳幼児期にワクチン接種を行いますが、効果は短くて4年程度、長くても12年程度といわれているため、ワクチンの追加摂取により免疫をつけることもできます。長引く咳症状がある場合は周囲への感染を防ぐためにも、お近くの医療機関を受診することをおすすめします。