Skip links

尿路感染症のはなし その2

上部尿路感染症(腎盂腎炎)に引き続き、下部尿路感染症(膀胱炎、前立腺炎、尿道炎)について説明します。

2.下部尿路感染症

膀胱炎

膀胱内に細菌が感染することで発症します。尿をするときに尿道や膀胱に痛みを感じたり(排尿痛)、尿をした後も尿が膀胱に残っている感じがしたり(残尿感)、尿が近い(頻尿)、尿が濁る(尿混濁)といった症状が出ます。膀胱炎はほとんどが女性でみられます。

 

前立腺炎

前立腺という男性の尿道のまわりにある組織が感染により炎症を起こします。排尿時の違和感や痛み、陰部や下腹部の痛みといった症状がでます。

 

尿道炎

尿道に細菌などが侵入し、炎症が引き起こされる病気です。細菌が尿道口から侵入するか、もしくは性行為を介してパートナーから病原体がうつることで発症します。排尿時の違和感、かゆみ、痛痒い感じ、頻尿、尿道から分泌物や膿が出るといった症状が出ます。男性は尿道炎のみを発症しますが、女性は尿道が短いため、通常、尿道炎は膀胱炎と同時に発症します。

 

尿路感染症の多くは、尿道口から侵入した細菌が尿路をさかのぼって感染、炎症を起こすことでおこります。女性の尿道口は男性に比べて肛門や膣に近い場所にあるので細菌が付着しやすく、また尿道が短いため細菌が入りやすいといわれています。そのため、女性の方が尿路感染症にかかりやすいです。妊娠中の女性、糖尿病の持病がある人、ステロイド薬や免疫抑制薬を服用している人などは尿路感染を起こしやすいと言われています。

 

尿路感染が疑わしい場合は、尿検査で尿の中に白血球や細菌がいるかを確認します。必要であれば超音波検査を行います。

尿路感染症の治療は、細菌を殺す抗菌薬(抗生物質)を服用します。排尿時に痛みがあったり、熱が高い場合は、痛みや炎症を抑える薬も処方されます。通常1~2日間で症状は良くなり、3~5日間の治療で治癒します。 症状が軽ければ、水分をたくさんとって尿量を増やすことで自然に治ることもあります。