こどもが頭をかいていたりかゆみを訴えてきたら、それはアタマジラミかもしれません。アタマジラミというと昔の病気で清潔にしていればかからないイメージがありますが、アタマジラミは「不潔だから」うつるわけではありません。毎日頭を洗って頭皮をきれいにしていてもアタマジラミに感染します。アタマジラミは衛生環境のよい日本やシンガポールでもよくあるありふれた感染症の1つです。
アタマジラミの成虫は2~4mmくらいの大きさで、人間の頭皮に寄生し、毛根近くに卵を産み繁殖します。頭皮から血を吸い、血を吸われると非常にかゆくなりアタマジラミに気づくことが多いです。かゆみが出ない人もいます。
アタマジラミは毛から毛へ、もしくは物から毛へ移動します。アタマジラミに感染している人と帽子や枕、タオルやブラシなどを共有するとそれを媒介にして感染します。こども同士が頭をくっつけあって遊ぶときにうつることもあります。アタマジラミの人の近くにいるだけで感染することはありません。
アタマジラミの成虫は動きがとても素早いので、成虫を見つけるのはなかなか難しいです。かゆみなどの症状が全く出ない人もいますので、気付かないうちに人に感染させていることがあります。アタマジラミの成虫は寿命までに300個の卵を産卵すると言われていますので、とにかく早く見つけて早期に駆除してしまうことが大切です。
アタマジラミを見つける方法は、卵がないかどうかチェックすることです。アタマジラミの卵は耳のうしろや頭頂部、えりあしなどで見つかることが多いです。髪をかき分けて丹念に見てみましょう。アタマジラミの卵は0.5ミリほどの大きさで、白く細長い楕円形をしています。見た目はフケと区別がつきにくいですが、アタマジラミの卵はしっかりと髪の毛に付着していて引っ張っても簡単に取ることができません。また指でつぶすとプチっと音がしてつぶれます。