鼓膜(こまく)の奥の空間「中耳」に炎症を起こす「中耳炎」。7歳ころまでに60~70%の子供がかかると言われています。
こどもが中耳炎になりやすいのは、耳と鼻をつなぐ「耳管」が大人に比べ短くて太いこと、また傾きが水平なので細菌やウイルスが侵入しやすくなっているためです。さらに、親にもらった免疫(感染に対する抵抗力)は生後半年ほどできれてしまい、自分の免疫が弱いことも原因です。
こどもは一度中耳炎になってもすぐに繰り返す場合があるため、再発防止のためのポイントを説明します。
1.鼻水や鼻づまりはそのままにしない!
鼻水は出来るだけためずにだしましょう。鼻水が耳管を通って鼻から耳に流れ込み、中耳にたまって膿になります。鼻をかむときは片方ずつ、ゆっくりと少しずつ押し出すようにかむのがコツです。必要であれば吸引を行ったり、医療機関を受診して鼻水や鼻づまりの原因を突き止めることが中耳炎の防止になります。
2.風邪を予防する!
中耳炎は「風邪」を引いた後にかかることが多いです。衛生面に注意することが最善の予防策になるので、うがいと手洗いをこまめに行いましょう。
3.処方された抗生剤は必ず最後まで飲み切る!
自己判断で薬を中断せずに、治るまでしっかり治療することが大切です。症状が良くなっても体の中には細菌が残っている可能性があります。それなのに途中で服用をやめてしまうと、再び細菌が増えて症状がぶり返したり、抗生剤の効きにくい耐性菌へと変化してしまいます。
中耳炎の早期発見のポイントは、こどもが風邪をひいた後中耳炎になっていないかと疑いながら様子をチェックすることです。中耳炎は風邪の後になることが多いため、耳を痛がっていないかた、耳からにおいがしたり耳だれが出ていないか、耳を頻回に触ったり機嫌が悪くないかなどを観察し、疑わしい症状があったら早めに医療機関を受診しましょう。