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「ジカ熱」について

蚊を介して感染する「デング熱」は有名ですが、同じように蚊が運ぶ感染症に「ジカ熱」があります。正式な名前は「ジカウイルス感染症」で、中南米を中心に感染が報告されています。日本では今まで数件のみジカ熱感染症が報告されていますが、全て海外を渡航した際に蚊に刺され、帰国後に発症したケースです。シンガポールでは毎年一定数のジカ熱感染が報告されています。

 

ジカ熱は、ジカウイルスに感染して起こる感染症です。蚊を媒介にして感染します。ウイルスに感染した人を蚊が吸血し、その蚊が他の人の血を吸うことでウイルスが感染します。またジカウイルスは性行為による感染も報告されています。

感染しても約8割の人にはほとんど症状が現れません。残りの2割の人に、3日~12日の潜伏期間のあと、発熱、発疹、結膜炎、筋肉や関節の痛み、だるさ、頭痛などの症状があらわれます。

ジカ熱に有効な特効薬はないので、症状に対する薬を飲みながら自然に治るのを待ちます。症状は比較的軽く、2日~7日で治ります。

 

ジカ熱に似た病気に「デング熱」がありますが、ジカ熱の症状はデング熱より軽傷です。しかし、妊婦がジカ熱に感染すると胎児もジカウイルスに感染し、「小頭症」などの先天性障害を起こす可能性があります。

 

ジカ熱に有効なワクチンはありません。蚊に刺されないように長袖長ズボンを着用したり、虫よけスプレーを使って対策することが大切です。特に妊娠中はしっかりと防蚊対策を行いましょう。