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肝炎の基礎知識

「肝炎」とは、肝臓の細胞に炎症が起こり、肝臓の細胞が壊されていく病気です。肝炎を引き起こす原因はウイルス性、薬剤耐性(薬物や化学物質などによる)、アルコール性、自己免疫性(自分の免疫細胞が自分自身を攻撃する)などがありますが、日本人のかかる肝炎の多くが「ウイルス性肝炎」と言われています。

 

肝炎ウイルスは、A型、B型、C型、D型、E型が確認されており、日本人の感染者のほとんどがB型とC型です。このうちB型肝炎は減少傾向にありますが、逆にC型肝炎の感染者が目立ってきました。

 

肝炎の起こり方によって「急性肝炎」と「慢性肝炎」に大きく分けられます。6か月以内でおさまる肝炎が急性肝炎、それ以上にわたって肝臓に炎症を起こす肝炎が慢性肝炎です。詳しい症状とそれを起こしやすい肝炎ウイルスの型は以下のとおりです。

 

【急性肝炎】

ウイルスの感染などが原因で肝臓に急激な炎症が起こります。A型、B型、C型肝炎ウイルスによるものが多いです。肝炎ウイルスが体内に侵入してから症状が現れるまでの潜伏期間は、3~8週間であることが多いですが、B型肝炎では6か月になることもあります。全身のだるさ、 食欲不振や吐き気 、黄疸(皮膚や眼球の白い部分が黄色くなる)などの症状が出ます。ほとんどの場合1~3か月程度で自然に治りますが、まれに重症化して入院が必要になることがあります。

 

【慢性肝炎】

原因の90%は、B型肝炎ウイルスまたはC型肝炎ウイルスです。ほとんどの場合は無症状ですが、全身のだるさや食欲不振、疲労などの漠然とした症状がでることもあります。 慢性肝炎は、肝硬変、肝臓がんや肝不全に進行するリスクがあります。

 

B・C型肝炎ウイルスは、主に血液によって人から人へと感染します。感染を防ぐには、他人の血液に触れないことが重要です。くしゃみや食器の共有、同じお風呂やトイレを利用するなどではうつりません。B型肝炎ウイルスは、性交渉で感染することがあります。

 

肝炎は無症状のことが多く、ウイルス感染を起こしていても気づいていない人が多くいます。肝炎にかかっているかどうかは血液検査でわかりますので、特にB型、C型肝炎の検査を受けたことがない人は肝炎ウイルス検査をうけることをおすすめします。