Skip links

肝炎の基礎知識「C型肝炎」

C型肝炎は、C型肝炎ウイルスに感染することでおこる肝臓の病気です。C型肝炎は日本の慢性肝炎のうち約70%を占め、日本の肝がんの原因の65%がC型肝炎と言われています。

 

C型肝炎ウイルスは、主にC型肝炎に感染している人の血液を介して感染します。具体的には、C型感染ウイルスに感染している人が使用した器具を、適切な消毒などを行わずにそのまま用いて入れ墨やピアスの穴あけなどを行った場合やC型肝炎ウイルス陽性の血液を傷のある手で触ったり、針刺し事故を起こしたりした場合です。まれに性交渉、母子感染(C型肝炎陽性の母親から生まれた子供)でもおこります。

 

C型肝炎の潜伏期間は2週間から6ヶ月ですが、感染した人の約8割の人は症状が出ません。症状がないためC型肝炎に感染していることに気づかず、約8割が「慢性肝炎」に移行します。そこからさらに1~2割の人が、約20年で「肝硬変」に、約30年で「肝がん」へと進行します。症状がある場合には、食欲不振や腹痛、全身の倦怠感、色の濃い尿などが見られます(急性肝炎)。

 

通常、急性のC型肝炎に対して治療は行いません。慢性化した場合には、抗ウイルス療法や肝庇護療法(肝臓の機能を正常化することで症状の進行を抑え)で治療を行います。

C型肝炎のワクチンはありません。予防方法は、他人の血液に触れないことです。歯ブラシやカミソリなど血液が付いている可能性のあるものを共用しない、不衛生な場所での入れ墨やピアスは避ける、性交渉の際には必ずコンドームを使用するなどを徹底してください。

 

肝臓は、「沈黙の臓器」と呼ばれるほど予備能力が高く自覚症状が出にくいため、気付いた時にはかなり症状が進行していることがあります。何かおかしいと持ったら早めに医療機関に相談しましょう。また感染しているかどうかは血液検査で簡単に調べることができます。一度も検査をしたことがない場合は、健康診断の際に一緒に受けることをおすすめします。