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糖尿病の基礎知識②自覚症状と合併症

糖尿病の怖いところは、ほとんと自覚症状がなく、かなり血糖値が高くなければ症状が現れないため、放置したままにしている人が多いということです。放置しておくと全身の血管や神経が障害され、重大な合併症が現われてきます。

下記のような自覚症状があれば糖尿病の可能性があります。

 

糖尿病の自覚症状①

「喉が渇いて水をたくさん飲む / 尿の量が増えてトイレが近くなる」

血糖値が高いというのは、血中の糖(血糖)の濃度が高く血液がドロドロしている状態です。この濃度を下げようとして、からだが水をたくさん欲しがります。水をたくさん飲むと尿の量が増えて、トイレが近くなります。

 

糖尿病の自覚症状②

「体がだるく、疲れやすい」

インスリンがうまく働かず、血液の中の糖が多すぎるか少なすぎるため、体が適切に糖を使えず、うまくエネルギーを作ることができません。そのため活動に必要なエネルギーが不足し、疲れを感じます。

 

糖尿病の自覚症状③

「食べているのに痩せる」

インスリンがうまく働かず糖をエネルギー源として使えないので、エネルギー不足を補うために体内の脂肪や筋肉のタンパク質をエネルギー源として分解してしまうためです。

 

血液中の糖の濃度(血糖値)が何年間も高いままでいると、血管が傷ついたり、詰まったりして、血流が滞ってしまいます。 特に細い血管は影響を受けやすく、神経、目、腎臓に起こる糖尿病の人に特有の病気を「3台合併症」とよびます。

 

①糖尿病神経障害(神経)

手や足の先に痛みやしびれが出ます。ひどい立ちくらみ、下痢や便秘、勃起障害(ED)、排尿障害などもでます。

 

②糖尿病網膜症(目)

網膜の血管に障害がおこり、視力の低下、さらに進行すると失明に至ります。

 

③糖尿病腎症(腎臓)

腎臓がうまく働かなくなり、疲れやむくみ、貧血などの症状が出ます。さらに進行して深刻化すると「人口透析」が必要になります。人工透析を始める原因1位は糖尿病腎症です。

 

太い血管にも合併症は起こります。それは「動脈硬化」です。血管が狭くなったり、詰まったりして、血液がスムーズに流れなくなり起こる病気です。

太い血管とは、具体的には心臓や脳、足などの血管のことです。これらの血管に動脈硬化が起きることで、狭心症や心筋梗塞(心臓)、脳梗塞(脳)、閉塞性動脈硬化症(足)など重篤な合併症を引き起こすリスクが高まります。