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シンガポールのヘイズとその対策 その1

美しく安全で誰にとっても住みやすい国として評価を受けているシンガポール。そんなシンガポールを毎年悩ませているのが大気汚染「ヘイズ」です。

 

ヘイズは元々気象用語で、乾いた微粒子が浮遊することにより視界が悪くなる現象のことです。日本語では「煙霧(えんむ)」と訳されます。

しかし東南アジアではヘイズは気象用語というよりも、インドネシアなどでの焼畑農業や森林火災などにより発生した煙が原因の大気汚染のことをさします。煙は偏西風(モンスーン)にのってシンガポールなど東南アジア諸国に流れこみ、空が深い霧に覆われたようになります。このとき焦げたようなにおいがするのが特徴です。

ヘイズは身体への影響や航空機の欠航、学校の休校や企業の休業など東南アジアの国々で様々な問題を引き起こしています。

 

ヘイズには粒子状物質(PM)、二酸化硫黄、オゾン、二酸化窒素、一酸化炭素などが含まれています。このうちの約8割はPM2.5(微小粒子状物質)です。PM2.5は2.5μm以下の非常に小さい粒子のため、空気中に長く留まり、吸い込むと気管支や肺の奥深くまで入り込む特徴があります。日本でも時々PM2.5による被害が報告されていますが、ヘイズはさらに深刻です。

ヘイズによる症状は、 目のかゆみやのどの痛み、鼻水、皮膚のかゆみ、めまいや頭痛など様々です。また、ぜんそくや気管支炎などの呼吸器系の病気や不整脈など循環器系の病気のリスクが高まるといわれています。